ヒロシマ2
2025.07.25

まず私達は荷物を置いたらすぐに原爆資料館へ向かいました。

それは、語り部の迫田勲さんの被爆体験を聴くためでした。

迫田さんは今年で87歳である。先日私は作手にいらっしゃる黒田さんとも被爆体験を聞きに作手まで行ってきましたが、黒田さんもまた、今年で86歳であるといっていました。

私が強く感じたことは、彼らの語る力強い被爆体験談とその危機感でした。

戦後80年と今年はよく耳にする言葉でありますが、それと同時に戦争体験者がいなくなっていってる。AIや映像、資料館でも戦争の事は知識として記憶に残す事は出来るでしょうが、戦争経験者の当時の感情や心はもう残す事が出来ない。言葉で伝える事が出来ない時代がもう来ているという事に改めて肌で感じました。

語り部を今も続けている、迫田さん、そして黒田さんのお話は演出家の私が聞いても、生々しく、つい先日起こった事ではないかという臨場感がありました。

普段私は俳優の演技を見守る仕事をしていますが、やはり演劇は「心」なんだと思いました。

彼らはもう何百回と自身の被爆体験を語りついできたと思いますが、私がお話を聞いた時でも同じ言葉を繰り返して語るのではなく、伝えたい気持ち、その時の感情、私達に対する未来への希望を望む声がしっかりと伝わってきました。

「あなたたちのような若い方に、語り継いでいきたいし、プロデュースをされているのでしたら、この先もこういった事を続けてほしい」と言われました。

こういった言葉を私はよく言われたりするのですが、とても響きました。

また、私は今まで戦争といった重たいテーマを避けがちであったのですが、

今回のヒロシマ訪問を機に、もっと大人にならなきゃ駄目だと。思ったのでした。